• [ Comment コメント ] 今回はプロットを書く前にまず、大スクリーンにふさわしい、画的なクライマックスについて、プロデューサー陣と話し合いを行っています。そして、クライマックスが世界スポーツ競技大会の日本選手団パレードと決まってから、それを持ち帰ってプロット作りに取りかかり、その場所で犯罪を行う人物とは、どういう必然を内包し、どんな目論みを持つのか? という犯人像を深める作業を始めました。国を背負って戦い、メダルを獲り「国の誇り」として帰ってきた人たちを、50万人もの人々が日の丸を振って祝福する。そのひとりひとりの命の重みを考えた上でなお、犯罪を遂行できる人物をまず造形し、それを軸にして、犯人と関わっていく人々や全体を貫く物語へと世界観を広げていきました。巨大な犯罪を企てる人物と対峙し、事件の深層に隠された謎を右京さんが解いていく。水谷さんの右京さんはいつもチャーミングで知的で、時に残酷なほど冷徹で……どんな脚本も神業のように受け止めてくださいます。反町さんの亘さんは、裏から手を回すなど(笑) かつてない大胆さが似合う、振り幅の広い相棒。とてもワクワクする組み合わせだと思います。

    1964年9月2日生まれ、香川県出身。
    大学在学中より始めた演劇活動を経て、97年テレビシリーズ「ウルトラマンティガ」で脚本家としてデビュー。12年に「犯罪者 クリミナル」で小説家としても執筆活動を始める。『相棒』シリーズには『season8』(09~10)の第2話「さよなら、バードランド」より参加。主な作品に、映像分野では、『犬とあなたの物語 いぬのえいが』(09)、「ココだけの話」(01、EX)、「TRICK2」(02、EX)、小説では「幻夏」(13)のほか、17年2月末に新作「天上の葦」(KADOKAWA刊)を刊行予定。

  • 1987年「AIKE BAND」のベーシストとしてメジャーデビュー。
    その後LAの一流ミュージシャンのレコーディングにアレンジャー・ベーシストとして参加する。94年より映画、ドラマ、アニメ、ゲーム音楽等の劇伴作曲家としても活躍。01年に文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞などを『BLOOD THE LAST VAMPIRE』が受賞。07年CM『ASIENCE 〜 髪は女の命』が、ロンドン インターナショナル アワードのTelevision/Cinema部門で“ゴールド賞”を受賞。テレビドラマ『相棒』シリーズ、「女王の教室」、「家政婦のミタ」、アニメ「TIGER&BUNNY」、映画『相棒シリーズ X DAY』(13)とジャンルを超えて活躍中。『探偵はBARにいる』で第53回日本アカデミー賞優秀音楽賞受賞。 

  • 1968年1月17日生まれ、新潟県出身。
    日本大学藝術学部卒業後、90年東映入社。京都撮影所に配属され、『御宿かわせみ』(沢口靖子版)にて監督デビュー。以降、東映の社員監督として時代劇、現代劇、任侠映画、スーパー戦隊シリーズまでジャンルを問わず活躍中。13年12月東映退社。フリーランスの演出家として活動を開始。主な作品に、『探偵はBARにいる1&2』(11&13)、『臨場 劇場版』(12)、『相棒シリーズ X DAY』(13)、『王妃の館』(15)、『シマウマ』(16)がある。『相棒』シリーズには『season2』(03~04)の第8話「命の値段」より参加。